売れる営業は「未来」の語り方が抜群にうまい 理想の姿を想像させ、具体的に深堀りしよう

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例えば「車の購入」であれば、家族でお出かけするために広めのミニバンがいいのか、通勤に使いたいから燃費がいい車がいいのか、見た目を重視したいので、スタイリッシュな車がいいのかなど、「変化した未来」という購入した後の姿を描いているのです。

正直な話、私が見てきたトップセールスマンは、どんな業界の人でも、この「未来」の売り方が抜群に上手です。お客さまに商品というものを通じて、「未来」を描かせるのが他の営業マンよりも圧倒的にうまいのです。

法人向けの営業でも同じです。新しいコピー機を導入することで、リース料の低減や電気代の節約、印刷スピードがあがることによる仕事の効率化など、会社にとってメリットが出ることが分かれば、経営者や総務部担当者などは、営業マンが紹介する商品が欲しくなるのです。

では、新人営業マンからレベルアップするためには、お客さまの未来にどうアプローチすればいいのでしょうか?

お客さまの未来にアプローチする質問方法

私が、会社員時代に扱っていた電子部品の1つに、コネクターがあります。ほとんどの方は目にすることはないのですが、冷蔵庫、テレビ、ビデオカメラなど、電気が流れる製品にはほとんど採用されています。

簡単に言うと、基盤と基盤を接続するためのもので、組み立てをしやすくしたり、配線をしやすくしたり、修理をしやすくしたりするために存在している部品です。

私が担当していたAV情報機器メーカーは、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラの小型化を進めているところでした。それに合わせて、採用されている部品も小型化をすることが目標でした。コネクターも少しでも小さくなったうえで性能が変わらなければ、クライアントさんからは非常に重宝されます。

私は営業マンをしていた頃、お客さまのニーズを聞き出し、その用途に合った製品を一緒に開発しながら、お互いに成長していくプロセスを経験してきました。提案する商品も、お客さまの悩みが解決できたり、未来の目標とする姿を実現できる製品であれば、購入してもらえるのです。

勘違いをしている営業マンが多いのですが、商品をただ説明するだけでは、お客さまには買ってもらえません。「お客さまが求めている未来の姿」をイメージしてもらえなければ、興味すら抱いてくれません。当然、営業マンはそれを実際に購入していただくわけですから、より具体的な未来を描いてもらえるようなプレゼンが必要になります。

「この商品があれば、こんなことがこんな風に変わりますよ」
「この商品があれば、今までよりもこんなに便利になりますよ」
「その空いた時間で、こんなことやあんなことができませんか?」

といったように、具体的なイメージをお客さまに描いてもらうのです。そのためには、お客さまのニーズを徹底的に聞き出すことが大切です。そのニーズを聞き出すときは、このような質問をしてみてください。

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