ユニクロが支援する超一流ゴルファーの本意 アダム・スコットは新商品開発までかかわる
世界のトッププロ選手は、用具メーカーやウエアメーカーとスポンサー契約を結ぶことは珍しくない。プレー中、自社の商品を使用する様子が世界中で放映されることの宣伝効果は大きい。
ゴルフの場合もトップ選手はクラブやボール、キャップやウエアに至るまで、世界中のメーカーがスポンサードしている。ユニクロは、ゴルフではスコット選手にのみウエアを供給している形だ。
知名度が低い地域でのブランド訴求効果を狙い
ユニクロはオーストラリアへは2014年4月にメルボルンに初出店。徐々に店舗を増やしているものの、ユニクロブランドは欧米やオーストラリアでの知名度はまだまだ低い。スコット選手をサポートするのは、こうした弱い地域へのブランド訴求の効果が大きい。
ユニクロがスコット選手とタッグを組む狙いは、自社のブランド価値を高めることだけではない。共同で商品開発を進めることで、低価格でありながら機能性が高い商品を一般消費者に届けることにある。
「最初はユニクロのブランドのことをよく理解していなかった。ユニクロの服を着るようになって、考え方に共感していった。ゴルフのパフォーマンス強化だけでなくカジュアル服としても使えることを最重視し、よい商品を一緒に開発できる体制に満足している」(スコット選手)
スコット選手はスポンサー契約当初から、ユニクロの商品開発会議に参加し、新商品のアドバイスを重ねてきた。ゴルフのスイングをする際のウエアの伸縮性やプレー中の通気性など、自分自身がいいパフォーマンスを実現するための要求だけでなく、一般の消費者がゴルフ以外で着ても快適に感じられるようにシルエットの提案までしている。
たとえば、2016年まで「ドライストレッチパンツ」という名称で販売されていた「感動パンツ」(2017年春から販売)や「ドライコンフォートカラーポロシャツ」に加え、ベルトや感動ショートパンツなど頭からつま先まで商品開発にかかわり、プレー中は身を包む。ちなみに、「感動パンツ」は今年の春夏シーズンでビジネス用途にもカジュアルとしても使えるズボンとしてヒット商品となった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら