ソフトバンクの「白戸家」が根強い人気のワケ

祖母と孫のつながりを描いたCMもランクイン

【11位~30位】

12位はアマゾンジャパン『Amazonプライム』の「モーターバイク」篇がランクインした。放送から3カ月目となるが、依然として人気が高い。祖母が1人で暮らす田舎の古い家をバイクで訪れた孫の男性。迎えてくれた祖母の背中は小さく、老いを感じさせた。

バイクの前で微笑む若き日の祖父と祖母の写真を見つけた男性は、ふと思いつき、スマホであるものを注文する。翌日、祖母の元に届けられたのは、写真とよく似た星の模様のヘルメット。黄色に染められた菜の花畑の一本道を、孫が運転するバイクの後ろでヘルメットをかぶり、そっと孫の背中にほほを寄せる祖母。亡くなった祖父を思い出したのだろうか、目を閉じた祖母の笑顔が視聴者の胸を打つ。

『Amazonプライム』の「ライオン」篇、「ポニー」篇などの作品も手がけた博報堂のクリエイティブディレクター、はばき節子氏は、「今作は高齢化社会や高齢者の独り暮らしといった社会問題をテーマにした」と話す。「エモーショナルなCMは送り手側の一方的な意図が透けて見えると白けてしまう。できるだけ客観的に淡々と描くことで、どこかで本当に起こっている出来事だと感じてもらいたい」とも話した。

おばあちゃんに会いたくなるCM

リアリティを重視して起用したという孫とおばあちゃんの2人の演者の自然な表情に引き付けられた視聴者も多かったようだ。CMオンエアの直後から、「おばあちゃんに会いたい」「おばあちゃんの笑顔が見たくなった」といったコメントが多く寄せられ、はばき氏は「CMで描いた社会的なテーマを、「自分ごと」として受け止めていただけたことがとてもうれしかった」と語った。

おばあちゃんと孫のつながりを描いたCMには名作が多い。2013年から2014年まで放送された東京ガスの家族の絆シリーズの「ばあちゃんの料理」篇は、共働きの両親に代わって面倒を見てくれたおばあちゃんと孫のストーリー。成長を見守ってくれた祖母とその手料理の味の思い出が視聴者に共感を呼んだ。

三井不動産リアルティ『三井のリハウス』の亡くなったおばあちゃんは、孫娘にだけ姿が見える。祖母と住んでいた家を売ることになり、片付けをしている家族の元に現れていたずらをするお茶目なおばあちゃんは樹木希林が演じている。

孫にとっておばあちゃんは、親とは違う特別な存在だ。子供の頃の祖母は「優しくて」「話を聞いてくれて」「いつも味方になってくれて」無償の愛情を注いでくれる。孫が大人になって、祖母の弱々しく老いた姿に気づいて生の残り時間を思うとき、思い出への郷愁と思慕を切なく抱くことになる。こうした思い出がトリガーとなる感情が「おばあちゃん」CMに感動する理由なのであろう。

次ページ【図】CM好感度ランキング、一挙公開
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