ユリノミクスに滲み出る「天下取り」への野望 もはや衆院選出馬への歯車は止められない?
この状態で都政を投げ出してしまえば、常識的な論評として「政治家として無能」のレッテルが貼られてしまうはずだ。しかし、小池知事はそうは考えないだろう。これまでの発言を振り返る限り、「国政を変えなければ都政は変えられない」という論理を振りかざし、一気に国政に打って出て、政権獲りを目指したいのではないか。
しかし、風の流れを読むのが得意な「政界風見鶏」ともあだ名される小池知事。気にしているのは、民進党から候補を受け入れる際に「政策協定書」にサインさせ、公認料に加えて「上納金」を課すという方法が世間の不興を買ってしまった点だろう。
小池知事の側近である若狭勝前衆議院議員は「民進党からおカネをもらうことはない」と綺麗事を言っていたが、民進党からかつての所属議員や候補内定者を通じて希望の党に7億円以上の資金が流れたことは事実である。
また踏み絵のような「政策協定書」の内容に不満を抱いたため、篠原孝前衆議院議員はその文書にサインしなかったが、なぜか第1次公認候補に選定されるという不思議なことが起こっている。篠原氏はさっそく公認を辞退したが、小池知事のやり方に反感あるいは不快感を持っている元民進党関係者は他にも多くいる。
小池人気が根強いのは事実
しかし、小池知事が向かう先には多くの有権者が集まり、熱烈な応援の声が投げられる。多くのメディアの報道ぶりは「アンチ小池」になっているものの、広範な有権者の間で根強い人気を誇っていることは間違いない。そこに政権交代へ向けた一縷の可能性を見い出すのであれば、都政の全ての矛盾を後継者に押し付け、国政の場で気持ちを新たに政権を狙っていく、というのも視野のうちだろう。
「ユリノミクス」などと自己顕示まるだしのネーミングを嬉々として披露するその姿を見ると、小池知事はやはり国政に出たくて仕方がないのであろう。公示日の10月10日に突然のサプライズ出馬を表明する可能性は、まだまだ否定できない。
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