伊豆を走り出す「青い豪華観光列車」の実力は 「ザ・ロイヤルエクスプレス」はこんな列車だ
ロイヤルブルーの車体にゴールドのラインが入った、重厚な雰囲気の外観が特徴のザ・ロイヤルエクスプレス。かつて「アルファ・リゾート21」として運行されていた際は、白地に青と赤のラインを斜めに配したカジュアルなデザインだったが、「水戸岡デザイン」によって新しい列車に生まれかわった。
「ななつ星in九州」など、九州を中心にさまざまな観光列車などを手がけてきた水戸岡氏は、ザ・ロイヤルエクスプレスについて「30年間JR九州とともに学び、培ってきたものを伊豆に持ち込むと、このようになった。多くの人が心地いいと思う素材である木をふんだんに使い、古今東西の様式やデザインをちりばめたのがこの車両」という。
その言葉通り、車内に足を踏み入れると床から壁、座席などに至るまで木材の質感を生かしたインテリアが乗客を出迎える。使用している木材は各車両で異なり、たとえば「親子で旅を楽しむ」がテーマの1号車は、白っぽい色調の「ホワイトシカモア」という木材を用いた明るい雰囲気。一方、運転席後ろの展望室部分をソファのあるライブラリー(図書室)としたプラチナクラスの8号車は、ウォールナットなど濃い色の木材で「大人の空間」といったイメージだ。
ピアノやバイオリンの生演奏も
観光列車で重要なのは設備だけではない。食事や飲み物の提供、観光案内など、乗客への「おもてなし」を担うスタッフをはじめとしたソフト面でのサービスが、そのクオリティを左右することになる。
この列車を特徴付けるものの一つに「音楽」がある。食堂車の5・6号車にはピアノが設置されており、走行中にはピアノやバイオリンの生演奏が行われる。
ザ・ロイヤルエクスプレスのテーマ曲を作曲したバイオリニストの大迫淳英さんによると、この列車のためのオリジナル曲はテーマ曲のほか、四季それぞれに合わせた4曲の計5曲。「車窓を感じながら、躍動感や次の時代を切り開いていくというイメージ」で作曲したといい、車窓とともに音楽も季節ごとの変化が楽しめそうだ。
接客を行う「クルー」は、1両あたり2〜3人が乗務する予定。元客船スタッフやホテルマンなどさまざまな分野から転身した人たちが、運行開始に向けてホテルなどで研修を重ねてきた。
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