ロンドンに学ぶ誰もが安全に使える公共交通 「少数派」に我慢や自粛を強いる日本との違い
何度か進んでは止められ…
実際、地下鉄4線が乗り入れ、さらにはロンドン北西部への特急列車が発着するロンドン有数のターミナル駅であるパディントン駅を訪れた際にも、同じような場面を目にすることとなる。
ロンドンと北西部の近郊都市を結ぶターミナル駅であるパディントン駅は、4線もの地下鉄が乗り入れており、通勤時は都心部へと向かう人々でごった返している。中長距離列車が発着する1階のコンコースから地下鉄に乗り換えるためには階段を下っていく必要があるのだが、その階段には黒と黄色の2色テープが張られ、利用客が階段を降りないよう、警備員が目を光らせていた。テープの前では、百人を超えるだろう人々が列をなし、特に文句を言うでもなく、その封鎖が解かれるのを待っていた。
階段脇からひょいと首を伸ばして階下をのぞき込んでみると、そこでもまた足止めをされている別の一団がいた。しばらくすると、合図を受けた係員の誘導によって封鎖が解かれ、階下の一群が改札に向かって進んでいく。それに合わせてコンコースの封鎖も解かれ、長らく待たされていた人々が階段を下っていく。しかし、彼らはまた階下でしばらく足止めを食い――というサイクルで、彼らは目的の電車に乗るまでに、何度か進んでは止められ、進んでは止められ、を繰り返す。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら