ゴーン氏「日産はEVのリーダーであり続ける」 会長として初の総会、昨年度報酬は約11億円

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日産の株式を10年近く保有しているという44歳の埼玉県の会社員男性は「EVはテスラに押され気味だが、日本メーカーとして日産に頑張ってもらいたい」と期待を寄せた。

株主の中には「ゴーン氏にはあと2~3年、日産の会長にとどまって欲しい」という意見もあった(記者撮影)

67歳の横浜在住の女性は「日産の業績に不満はなく、役員報酬も妥当だ。ただ、そろそろ西川さんの下の世代を育てて欲しい。新しいことに挑戦するのには経営陣の若返りも必要だ」と注文をつけた。

日産は上位100のポストのうち半数以上を外国籍の社員が占め、人材の多様化が進んでいる。その中で西川社長は総会の中で、「日本人の存在感をもっと増していきたい。日本人の中からゴーンさんの次のリーダーを育てていく」という従来からの考えを改めて話した。

自らの価値観を表す”彫刻作品”

ゴーン会長は社長交代のタイミングに合わせて、自らの出身地・レバノンの作家にある彫刻作品を作らせている。題して、「ホイール・オブ・イノベーション」。車輪5つから構成され、それぞれの輪は「チャレンジ」「ダイバーシティ」など、ゴーン会長が日産に吹き込んだ価値観を象徴している。

6月22日、横浜の本社で開かれた除幕式でゴーン会長は、「日産の成長の力は18年間共に仕事をしてきた社員の中にある」と社員をたたえた。ただこれまでゴーン会長がこのようなオブジェを作らせたことはなかった。日産の元役員は「自分の功績を知らしめたいという自己顕示欲が出てきたのでは」と指摘した。

くしくもゴーン会長は総会で「今、連合はまさに胸躍る時代を迎えているが、自己満足に陥っている余裕はない」と厳しい口調で株主に語りかけた。「院政を敷いている」といった陰口は、ゴーン会長にとっても本意ではないだろう。社長兼CEOの職を譲った後も、その言動に一層注目が集まりそうだ。

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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