詳報!新型iPadProは「魔法の仕事道具」だ 「両手の指」でアプリをまたぐ操作が可能に
今回登場したまったく新しい製品ラインは、スマートスピーカー「HomePod」、プロ向けで50万円以上する一体型デスクトップパソコン「iMac Pro」、そして9.7インチからサイズが拡大した「iPad Pro 10.5インチモデル」の3つだ。それ以外の製品はデザインなどの変更はなく、プロセッサやメモリ、ディスプレーなどの強化にとどまっている。
この3つの製品ラインのうち、もっとも注目度が高かったのは、iPad Pro 10.5インチだ。
iPad Proは、2015年に登場したiPadの上位機種。これまでは12.9インチと9.7インチモデルが存在していた。12.9インチモデルはそのままプロセッサとディスプレーを刷新してラインナップに残ったが、9.7インチモデルはディスプレーを拡大し、10.5インチモデルとして再出発をすることになった。
もともと9.7インチモデルのiPadは、「古くなったPCの買い替え需要を狙う」という戦略があった。しかしマイクロソフトが、Surfaceシリーズによる劇的な市場の変化を作り出し、モバイルノート市場とタブレット市場を巻き込んだ結果、iPadが牽引するタブレット市場の縮小という結果を招いている。
10.5インチモデルのiPad Proは、そうした状況の中で、改めて、タブレットを生産性や創造性の高い作業における、中心的な存在へと引き戻そうというアップルの戦略から生まれた製品といえる。
大きな画面でキーボードがより使いやすく
新しいiPad Proのディスプレーは、これまでの倍のリフレッシュレートである120Hzを実現した。この数字が高ければ、1秒間に画面を書き換える頻度が高くなることを意味し、映像だけでなく文字や写真を画面の中でスクロールする際にも、ちらつきが少なく、くっきりとした表示を実現する。もちろん映像やゲームなどのグラフィックスを表示する際にも、その効果を体験できる。
特に専用デジタルペン「Apple Pencil」での描画は、20msという反応速度を実現し、ディスプレーの刷新によってより紙とペンに近い感覚を作り出すことに成功している。Apple Pencil自体は既存の製品だが、ディスプレーの反応速度によって、使い勝手が向上したのだ。
また9.7インチから10.5インチへとディスプレーサイズの拡大によって、スクリーンの中のキーボードはより大きなサイズとなり、また外付けの「Smart Keyboard」についても、大きく使いやすくなった。日本市場向けには日本語JISキーボードも用意される。待ち望んでいたユーザーも少なくないだろう。
ディスプレーの品質向上とサイズの拡大によって、iPad Proの生産性はぐっと向上した。しかし、新しいiPad Proの特別な点は、それだけではなかった。
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