ドル110円台、仏大統領選を受け2週ぶり高値 「北朝鮮リスク」くすぶり、ドルの上値は重い
[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場21日午後5時時点に比べ、ドル高/円安の110円前半。仏大統領選第1回投票の結果を受け、早朝の取引ではリスク回避で売られていたユーロ/円が大幅に買い戻された。ドル/円も上昇して始まり、一時110円後半に達した。買い戻し一巡後はいったん109円台に沈んだが、欧州勢の参加で緩やかに買い進まれている。
朝方には、仏大統領選挙の第1回投票で独立系中道候補のマクロン前経済相と極右政党、国民戦線のルペン党首が5月7日の決選投票に進む見通しとなり、「メーンシナリオ通りで、無難な流れ」(国内銀)、「正直、やれやれという安心感がある」(機関投資家)との声が聞かれた。
ドル/円は2週間ぶりの高値110.64円に、ユーロ/円は1カ月ぶりの高値120.93円に、それぞれ上昇。先週末に比べてドル/円は約1円、ユーロ/円は約4円急騰した。ユーロ/円では、本邦実需勢が120円台で売りを出したとの指摘も聞かれた。
「意味がある動きかどうかは別として、ドル/円はリスク回避的なムードになると売られ、リスク回避が後退すると買われるのが最近のパターンになっている」(前出の金融機関)という。
東京市場午後の取引では、ドル/円もユーロ/円もやや上値が重くなった。北朝鮮をめぐる地政学リスクがくすぶり、値を戻したところでは利益確定や持ち高調整の売りに押された。25日に北朝鮮の朝鮮人民軍の創設記念日を控えており、相場は北朝鮮と米国の動向に神経質になりやすいという。
トランプ米大統領は21日、税制改革に関して26日に大きな発表を行うことを明らかにした。「中身がある発表ができるのか疑わしい」(証券会社)との声も聞かれた。
米10年国債利回り<US10YT=RR>は一時2週間ぶりの高水準となる2.3180%まで上昇。短期筋は仏大統領選の第1回投票を控えて米国債ロングを積み上げていたが、同投票の結果を踏まえて同ポジションを巻き戻した。
ただ、北朝鮮を巡る緊張は改善しておらず、投資家の安全資産への需要から「米長期金利の上昇は継続しないだろう」(外銀)との声が上がっていた。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 110.19/21 1.0866/70 119.74/78
午前9時現在 110.02/04 1.0872/76 119.62/66
NY午後5時 109.07/10 1.0726/30 116.84/88
(為替マーケット・チーム)
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