米国株式市場はFOMC議事要旨を受け下落 今年後半に「資産縮小」の可能性を示唆
[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米国株式市場は、反落した。堅調な雇用関連指標を受けて上昇して始まったが、午後発表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、今年後半にバランスシート政策が見直される可能性が示されると、下落に転じた。
米議会内の亀裂が意識され、トランプ政権が掲げる減税の実現性に対する懸念が強まったことも相場の重しとなった。
連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した3月14─15日のFOMC議事要旨では、政策当局者の大半が、堅調な経済指標が続くなら量的金融緩和により4.5兆ドル規模に膨らんでいるバランスシートの縮小に着手すべきだとみていることが明らかになった。
議事要旨では、一部メンバーが株式相場が「かなり割高」との認識を示していたことも判明した。
オークブルック・インベストメンツの共同最高投資責任者(CIO)、ジャナ・サンプソン氏は、株価が下落に転じた原因について「資産バブルの状態かもしれないと指摘しているように聞こえたことで市場が警戒感を強めたのか、それとも、バランスシートの正常化の動きが成長の妨げになることが懸念されたのか、(これまでの想定よりも)利上げ回数の増加が見込まれることが嫌気されたのかのいずれかだ」と指摘した。
S&Pは主要11セクターのうち金融株を中心に9セクターが下落して取引を終えた。ただ、公益株指数<.SPLRCU>と不動産株指数<.SPLRCREC>の、いわゆるディフェンシブ株の2セクターは上昇した。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスがこの日発表した3月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数が26万3000人増と2014年12月以来の高水準で、市場予想の18万7000人を大きく上回った。これを受けて、S&P総合500種は0.8%上昇する場面があった。ナスダック総合も一時、過去最高値をつけた。
ナスダック・バイオテクノロジー株指数<.NBI>は午後に入り下落し、1.4%安だった。コーナーストーン・フィナンシャル・パートナーズのクリス・ザッカレッリ最高投資責任者(CIO)は、投資家がリスクの高い分野への投資を嫌った可能性が高いと分析した。
騰落銘柄数は、ニューヨーク証券取引所では1.93対1、ナスダックも2.61対1で、いずれも下げ銘柄が上げ銘柄を上回った。
米取引所の合計出来高は75億8000万株超で、過去20営業日の平均である68億株を上回った。
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