「いきものがかり」とコラボした小田急の思惑 特急停車で勢いづく海老名、静観の厚木

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「ロマンスカーで行くでしょー号」に乗車して感じたことは、「いきものがかり」ファンのマナーのよさであった。筆者が乗車した7号車では、座席をリクライニングしている人は皆無で、カーテンを閉めている人すらいなかった。

「いきものがかり」ファンのマナーについて、「共催」として名を連ね、イベントの整理・誘導を担当した海老名市シティプロモーション課は「あいさつをしてくれるうえ、路上へのごみのポイ捨てもまったくなかった。パーフェクトだったと思う」と絶賛する。また、「特別後援」の形で参画しイベントの整理・誘導を行った厚木市企画政策課も「シャトルバスを降りてから会場まで横に広がることなく、一列になって歩いていた。とても、品のよい方たちだった」と証言する。

ライブイベントに限らず、あらゆる大型イベントが行われる度に、参加者の振る舞いやごみのポイ捨てなどマナーの悪さが懸念されることも少なくないが、「いきものがかり」のイベントでは参加者のマナーに対する評価が極めて高いと言う。海老名・厚木両市からこうしたマナーのよいファンに支持される人気アーティストを輩出できたことは、地元のみならず、小田急にとっても大きな「財産」になっていると言っても過言ではない。

駅前開発で発展する海老名

小田急・相鉄・JR相模線が接続する海老名駅(写真 :BR01 / PIXTA)

さて、今回の「ロマンスカーで行くでしょー号」の目的地となった海老名市と厚木市。境界を接して隣り合う両市は、競争と協調を経て共に発展してきた。今回のイベントでも、事前に両市は情報交換を行い、イベントの成功を誓ったと言う。両市の人口を比べると、厚木市が22万5400人(2016年9月1日時点)に対して、海老名市は13万238人(2016年10月1日時点)と厚木市よりも少ないものの、海老名駅前には「ビナウォーク」や「イオン」などの既存商業施設に加えて、2015年10月29日にはJR相模線の駅入口の隣接地に「ららぽーと海老名」が開業し、さらに小田急もJR相模線との間に広がる事業用地「駅間地区」の大規模開発に乗り出すなど、海老名市の隆盛ぶりが目立っている。

また、本厚木駅から乗り換えなしで行ける都内の主要駅は新宿駅や表参道駅、霞が関駅、大手町駅などであるのに対して、海老名駅は小田急小田原線・相鉄本線・JR相模線の3路線が接続し、上記の主要駅に加えて、横浜駅にも乗り換えなしで行くことができる。今後、相鉄線とJR東海道本線・東急線の直通線「神奈川東部方面線」が開通すれば、JR東海道新幹線「のぞみ」が停車する新横浜駅や、渋谷駅などにも乗り換えなしで行けるようになる。

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