品川-田町間「50年ぶり新駅」が秘める可能性 六本木ヒルズを凌駕する広大な街が出現!

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JR新駅の建設予定地のすぐ近くには、山手線と国道15号の間に挟まれるように、京急の本社ビルが建つ。計画案では同ビルも再開発の対象に含まれている。

その京急は2019年秋には本社を横浜に移転すると発表している。同社は現在の本社の土地をJR東日本と一体的に再開発することを想定していると考えてよいだろう。

何より、京急にとっても、JR東日本の品川開発プロジェクトは重要な意味を持つ。JR東日本の狙いどおり、世界中から企業や人材の集まるエリアが品川駅のすぐ隣に誕生すれば、京急の鉄道路線・品川─羽田空港間の利用者が増加するからだ。

リニア需要を取り込めるか

さらに京急は、品川駅前に複合施設「シナガワグース」など複数のビルを所有しており、その敷地面積は2.5ヘクタールに及ぶ。2027年のリニア中央新幹線・品川開業に合わせ、これらの物件をオフィス、ホテル、住宅、商業施設などの複合施設に建て替える。容積率が緩和されれば、収益力は大きく改善する。

西武ホールディングスも品川駅前に「品川」「新高輪」などのプリンスホテルを所有している。「東京オリンピックまではホテルとして運営する」(後藤高志社長)という方針だが、その後は再開発する可能性もあるだろう。

もっとも、東京オリンピックの開催に合わせ、都心部ではほかにもオフィスビルやホテルの大量供給が見込まれている。テナントの獲得競争や五輪後の需要減など、対応すべき課題も多い。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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