米国株式市場は3日続伸、巻き戻し進む 英中銀カーニー総裁の追加緩和示唆が追い風
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国株式市場は3日続伸した。カーニー英中銀総裁が夏の追加緩和を示唆したことが支援したほか、米食品・飲料会社モンデリーズ・インターナショナル<MDLZ.O>が、チョコレート大手ハーシー<HSY.N>に230億ドルの買収案を提示したと伝わり、消費関連銘柄が買われた。
英国民投票における欧州連合(EU)離脱派勝利を受け、カーニー総裁は夏場にかけて景気刺激のための追加措置が恐らく必要になるとの見方を示した。国民投票結果がもたらしたショックで米国株は大きく下落したが、この日までに値下がりの大部分を取り戻した。
BB&Tウエルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「ブレグジット(英国のEU離脱)問題(に伴う売り)は巻き戻されつつある。これは経済的な決定というよりも政治的な投票と決断だという側面が明らかになっているからだ」と述べた。また同氏は、資産運用担当者による四半期末の持ち高調整も相場にプラスとなったと指摘した。
ウェルズ・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジスト、ジム・ポールセン氏は「今後ブレグジットをめぐる不安が再燃する場面はまだあるだろうが、金融もしくは実体経済への悪影響という面では従来想定されていたほどの大きさに迫るとは思わない」と語り、むしろ株価が最高値を更新する事態への備えを進めたいとの考えを示した。
S&Pの10セクターはすべて上昇し、生活必需品<.SPLRCS>が2.2%高と全体を引っ張った。
ハーシーは16.8%高、モンデリーズは5.9%高で引けた。ハーシーはモンデリーズの買収提案を拒否した。
クレジットカードのビザ<V.N>とマスターカード<MA.N>はそれぞれ3.3%と4.4%の下落。支払い手数料が不当に高いとして小売店がカード会社を相手に起こした訴訟の和解案について、連邦控訴裁判所が無効と判断した。
米取引所の合計出来高は約87億株で、過去20営業日平均のおよそ76億株を上回った。
騰落銘柄比率はニューヨーク証券取引所が3.85対1、ナスダックが2.46対1でいずれも上げが優勢だった。
終値 前日比 % 始値 高値 安値
ダウ工業株30種 17929.99 +235.31 +1.33 17712.76 17930.61 17711.80
前営業日終値 17694.68
ナスダック総合 4842.67 +63.43 +1.33 4793.75 4843.11 4774.52
前営業日終値 4779.25
S&P総合500種 2098.86 +28.09 +1.36 2073.17 2098.94 2070.00
前営業日終値 2070.77
ダウ輸送株20種 7485.13 +72.18 +0.97
ダウ公共株15種 716.52 +15.40 +2.20
フィラデルフィア半導体 691.67 +12.30 +1.81
VIX指数 15.63 -1.01 -6.07
S&P一般消費財 620.41 +4.64 +0.75
S&P素材 290.62 +4.43 +1.55
S&P工業 487.51 +9.57 +2.00
S&P主要消費財 564.99 +12.19 +2.21
S&P金融 308.39 +4.76 +1.57
S&Pエネルギー 512.39 +4.46 +0.88
S&Pヘルスケア 829.45 +7.86 +0.96
S&P電気通信サービス 182.64 +2.76 +1.53
S&P情報技術 713.04 +7.45 +1.06
S&P公益事業 266.70 +5.73 +2.19
NYSE出来高 13.72億株
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 15820 + 310 大阪比
シカゴ日経先物9月限 円建て 15740 + 230 大阪比
*内容を追加しました。
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