三菱自動車が副社長に迎える日産顧問の横顔

秋には日産出身者が会長へ、新社長は誰に?

益子修会長(左端)と手を携える3人の新副社長内定者。右から池谷光司氏、白地浩三氏、山下光彦氏(記者撮影)

記者団に三菱自動車の開発部門の問題点を問われた山下氏は「三菱自動車に何かが大きく欠落しているとは思わない」と答えた。「開発部門では開発を動かす仕組みと人と文化の3つが大事。どこがずれてしまったのかを日産での経験と照らし合わせて変えていく」と自信をのぞかせた。

また三菱自動車は三菱グループからも人的支援を受ける。海外部門担当の副社長には、三菱商事出身で4月1日付けで三菱自動車常務執行役員社長補佐に就任した白地浩三氏が、財務担当の副社長には三菱東京UFJ銀行専務の池谷光司氏が内定している。

益子会長は「外部の人の新鮮な目で見れば、開発や危機管理についての仕事の仕組みの違いがわかる」と新体制発足に期待を寄せる。だが当然、日産から役員を招くだけで改革がうまくいくわけではない。日産から取り入れた仕組みが根付くかどうかは三菱自動車の努力にかかっている。そこで同社も不正の再発防止に取り組むべく緊急対策チームを発足させ、6月中旬をメドに組織、人、風土の3つの要素で大きな改革を実施するとしている。

「思い切った改革をやれば摩擦も大きい」(益子会長)ことは承知の上だ。中途半端な改革では再び不祥事を繰り返しかねない。自力での再建をあきらめ、日産に支援を依頼する以外に三菱自動車に残された選択肢はなかった。

相川哲郎社長は「この風土の中で長年育った私が社長として残ることは改革の妨げになる」として、同じく生え抜き役員である中尾龍吾副社長と共に定時株主総会(6月24日)をもって辞任する。

役員人事は秋にようやく一段落か

今後は、8月までに日産による資産査定を終え、10月をめどに三菱自動車が第三者割当増資を実施。日産が第三者割当増資を引き受け、三菱自動車株34%を保有する筆頭株主になることが合意されている。

その後開かれる臨時株主総会で新体制が決定。三菱自動車の取締役11人のうち、4人が日産から指名され、その4名の中から1名が新会長として選定される。この臨時株主総会をもって、現時点で暫定の会長兼社長である益子氏は退く意向を示している。新社長が誰になるかは白紙の状態だ。

後任の新社長には誰が選ばれるのか。その決定は日産傘下入り後の新体制に委ねられている。

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