アイダエンジが独社と組みローラー金型をアジアで展開
自動車部品の生産には欠かせないプレス機。金型の進歩により生産効率が格段に上がりそうだ。プレス機製造大手、アイダエンジニアリングは、自動車のトランスミッション(変速機)の歯形部品を成形する際に使われるローラー金型の販売を今月中にも開始する。
販売するのは、今年7月に技術提携を結んだ独ウェボ社の製品。ウェボ社は欧米の自動車メーカーへの納入実績を持つ金型メーカーだ。
ローラー金型を使った「ローラー成形」では、1台のプレス機でコイル材から歯形部品への一貫成形が可能、またプレス荷重も抑えられるため、金型の長寿命化につながるという特長がある。
現在、国内では「プレスしごき成形」や「グローブ成形」が主流だ。ただ、プレスしごき成形はローラー成形と同じくプレス機で行われるが、金型等の焼付き防止のため化学薬品による皮膜処理が必要。そのために処理業者への物流等が必要であるうえ、廃液処理に伴う環境負荷が高い。また、グローブ成形は専用機による成形で、毎分2個と生産に時間がかかる。
プレス機での一貫生産ができないこれら従来の工法に対し、ローラー成形では毎分20個の生産ができ、皮膜処理や物流等も必要ない。高い生産効率、環境への負荷軽減、そしてコスト削減を実現できるというわけだ。
もっとも、国内では従来の工法での成形の仕組みが根付いており、生産設備を置き換えるのは容易ではない。そのため、鈴木利雄・開発本部新商品部マネージャーは「新たに海外の生産拠点を作る日系メーカーへ提案し、拡販を狙いたい」と話す。国内のほかにも、東南アジアや韓国、中国でも展開する計画だ。
(中川雅博 =東洋経済オンライン)
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