アイダエンジが独社と組みローラー金型をアジアで展開

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アイダエンジが独社と組みローラー金型をアジアで展開

自動車部品の生産には欠かせないプレス機。金型の進歩により生産効率が格段に上がりそうだ。プレス機製造大手、アイダエンジニアリングは、自動車のトランスミッション(変速機)の歯形部品を成形する際に使われるローラー金型の販売を今月中にも開始する。

販売するのは、今年7月に技術提携を結んだ独ウェボ社の製品。ウェボ社は欧米の自動車メーカーへの納入実績を持つ金型メーカーだ。

ローラー金型を使った「ローラー成形」では、1台のプレス機でコイル材から歯形部品への一貫成形が可能、またプレス荷重も抑えられるため、金型の長寿命化につながるという特長がある。

現在、国内では「プレスしごき成形」や「グローブ成形」が主流だ。ただ、プレスしごき成形はローラー成形と同じくプレス機で行われるが、金型等の焼付き防止のため化学薬品による皮膜処理が必要。そのために処理業者への物流等が必要であるうえ、廃液処理に伴う環境負荷が高い。また、グローブ成形は専用機による成形で、毎分2個と生産に時間がかかる。

プレス機での一貫生産ができないこれら従来の工法に対し、ローラー成形では毎分20個の生産ができ、皮膜処理や物流等も必要ない。高い生産効率、環境への負荷軽減、そしてコスト削減を実現できるというわけだ。

もっとも、国内では従来の工法での成形の仕組みが根付いており、生産設備を置き換えるのは容易ではない。そのため、鈴木利雄・開発本部新商品部マネージャーは「新たに海外の生産拠点を作る日系メーカーへ提案し、拡販を狙いたい」と話す。国内のほかにも、東南アジアや韓国、中国でも展開する計画だ。

(中川雅博 =東洋経済オンライン)

中川 雅博 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事