欧州鉄道、8割引もある「超割引運賃」の裏側 予約変更やキャンセルは一切できないが…
乗車日の3週間前を切ると、最安値の運賃は設定が無くなり、さらに5日前になると普通運賃のみの設定になるなど、乗車日に近付くほど割引設定が減っていく場合が多いが、早朝や深夜、あるいは平日昼間など、利用者が少ない時間帯の列車は、最初に述べたホテルの例と同様、空席のまま運転すると収入がなく、空気を運ぶことになるので、かなり直前まで(場合によっては運行当日まで)割引運賃が残っていることも多い。
例えば、平日にユーロスターを利用して、ロンドンからパリへ日帰り往復旅行に出かけるとしよう。朝早く起きるのは大変だが、5時40分の始発に乗車すれば、9時17分にはパリに到着する。
日中をパリで過ごし、ロンドンへ戻る最終列車の出発時間は21時01分発で到着は22時39分。出入国審査のため、30分以上前にゲートへ向かわなければならないとはいえ、それでも約11時間滞在できるうえ、乗車券代も始発・最終便ならたいていの場合、30%~半額割引とかなりお得だ。
実際、一番近い日付の平日で運賃を検索してみたら、ほとんどの列車は175ポンドの普通運賃だったが、始発と最終列車はいずれも84.50ポンドと半額以下だった。もっとも、それでも高いと思うかもしれないが、これは検索した日付が近いからであって、1か月以上前であれば、2等車の片道運賃が35ポンド程度で売りに出されることもある。ユーロスターのニュースレターを登録しておくと、こうした割引運賃の情報がメールで送られてくる。
日本国内で買えるのは「普通運賃」
ところで、日本の旅行代理店でもヨーロッパ各国の鉄道乗車券や、乗り放題のレイルパスが購入できるのをご存じだろうか。ヨーロッパを鉄道で旅したことがある人なら、旅行代理店へ相談に行かれたり、あるいはご自身でインターネットやガイドブックを使って調べられたりしたこともあるかと思うが、値段に関して、もしかしたら高いと感じられた方もいらっしゃるかもしれない。
実は、日本国内で発売されている乗車券のほとんどは、いわゆる「普通運賃」で、割引運賃は設定が無いか、あっても種類が少ない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら