株式会社に転換する第一生命の真の狙いは?
持ち株会社化で金融コングロマリットを目指すか。(『週刊東洋経済』12月22日号より)
国内最古の相互会社で保険業界第2位の第一生命保険が、2010年度前半をメドに株式会社化し、同時に株式を上場する方針を明らかにした。同社は上場時の時価総額が2兆~3兆円に上ると想定しており、そうなれば1998年上場のNTTドコモ以来の超大型IPOとなる。
株式会社化の狙いは海外戦略拡大や資金調達力向上というのが大方の見方。が、保険業法に縛られているかぎり相互会社と株式会社とで業務範囲に差異はなく、また財務力が高い同社は相互会社のままでも資金調達面で何ら不安はない。ましてや不払い問題対策との見方は筋違いだろう。
むしろ、持ち株会社化が主眼と見るのが自然ではないか。純粋(金融)持ち株会社になれば保険業法のくびきから離れ、保険業とは関係のない事業にも進出できる。さらに親密先であるみずほフィナンシャルグループとの提携を一歩進めることや、M&Aで傘下に銀行・証券を抱えるなど金融コングロマリット化を推進することも可能となる。同社の動向には、今後目が離せない。
(書き手:筑紫祐二)
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