ナルミヤ・インターナショナル岩本一仁社長に聞く「百貨店依存型」から「百貨店主体型」へ改革加速
--新販路を拡大していくわけですね。しかし、全体的に価格が高いといわれる百貨店ブランドでは価格の見直しは行わないのですか。
「その一つの答えが、6月22日に発表した、百貨店向けの価格訴求型新ブランド『Lindsay(リンジィ)』です。これは10歳から15歳を中心に狙ったブランドで、1号店は8月27日、東武百貨店の池袋店にオープンを予定しています。今秋15店を展開する予定です。これも『攻めの経営』です。『守りの経営』だけでなく、これら一連の攻めの経営をすることが改革の両輪だと考えています」
--確かに百貨店向けに価格訴求型ブランドを出すことは、百貨店向けの価格戦略の一つの答えかもしれません。しかし、既存の百貨店ブランドの価格体系はどうするのですか。百貨店ブランド同志の整合性も問題になりますね。
「SC向けや百貨店向けに価格訴求型ブランドを出すのに『既存の百貨店ブランドの価格は下げないのか』という声があるのは理解できます。しかし『市況が悪いから価格だけを下げる』という発想はありません。例えば百貨店ブランドでは7000円のTシャツを販売していますが、7000円という価格が悪いのではありません。もし、売れ行きがかんばしくないのなら、それはプライス(価格)分のバリュー(価値)がない、つまり、値段に見合う付加価値がない、ということです。いま、既存の百貨店ブランドについては、来春に向け、プライスを上回る価値がある商品を出せるように、準備中です。実は、この既存の百貨店ブランドの改革が一番重要です。しかし、一番重要なものだからといって、いきなり荒っぽい「外科手術」のようなことはしてはいけないと考えています。まずは、一連の新しいビジネスのタネを蒔き、再成長に向けての土台を用意する。既存の百貨店ブランドについては、この間改革をしつつ、土台ができかかったところで、加速化してやっていく。もちろん、悠長なことはいっていられません」
--中国を中心としたアジア戦略も今後の再成長のカギの一つです。
「その通りです。中国を中心としたアジア戦略が当社の再建の大きな課題だと認識して取り組んでいきます。現在、上海や蘇州で主力ブランドの『メゾピアノ』の直営店を2店展開、それに加えて『デイジーラバーズ』や子会社でベビー関連を中心とした『ミリカンパニー』等、代理商を介した卸売を展開していますが、今後については後者の卸売を主体に展開していきたいと考えています。それでも直営店を展開しているのは、日々のオペレーションを通じ、現地情報を直接肌で感じとることです。日本のブランドを直接持って行くだけでは限界があります。現地のニーズにあった商品を開発するためにもぜひ必要です。この1月には中国に現地法人を設立しました。試行錯誤は続きますが、この現地法人を拠点に、日本発の他のブランドの展開も図っていきたいと考えています」
(福井 純)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2009.01 20,448 -710 -669 -1,540
連本2010.01予 18,500 -450 -350 -350
連本2011.01予 18,800 -200 -100 -100
単中2008.07 9,528 -911 -875 -676
連中2009.07予 8,300 -800 -740 -720
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1株益¥ 1株配¥
連本2009.01 -14188 0
連本2010.01予 -3308 0
連本2011.01予 -945.0 0
単中2008.07 -6189 0
連中2009.07予 -6804 0
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