戦後世界経済史 猪木武徳著
本書は、世界経済の動向を、第2次世界大戦から20世紀末まで、著名な経済学者が鳥瞰したものである。
20世紀がメインとなっているが、最終章では2007~08年の金融危機と、それによってもたらされた世界的な不況にも触れている。特に、「サブプライムローン問題」に関しては、専門家がリスクを意図的に低く喧伝し販売した、ある種の詐術ではないかと分析する。
著者はそこに人間の貪欲さを見、その貪欲さが市場経済を通して多くの富を生み出してきたことも、また事実だと述べる。この貪欲さを制御する有効なシステムをデザインすることが、今後の世界経済の最大の課題であると主張している。
中公新書 987円
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