米国発金融再編の衝撃 武藤敏郎・大和総研編

米国発金融再編の衝撃 武藤敏郎・大和総研編

サブプライムローン問題の表面化以後、今も予断を許さない金融危機。本書は、シンクタンクによるその背景や歴史などを含めた網羅的な解説書だ。

本来、黒衣であった金融サービスが、表舞台に登場してしまったことに少なからぬ問題がある--。本書は投資銀行の一部が、証券化商品の組成・販売などにのめりこみ、あたかも製造業的な性格を持ってしまったことが、今の金融危機を招いた一因と論じる。

金融の規制・監督の制度的枠組みが、金融イノベーションの発展に追いつかなかった点も問題視。金融再編後の金融機関が「巨大型」「専門ブティック型」「リージョナル型」の三つに収斂していくと展望する中で、行政監督においても同様の変革がもたらされる可能性があると指摘している。

大蔵・財務事務次官、日銀副総裁を歴任し、現在は大和総研理事長を務める武藤敏郎氏と、大和総研の資本市場調査本部の各研究員などによる共同編集。

日本経済新聞出版社 1890円

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