起承転々 怒っている人、集まれ! 佐々木忠次著

起承転々 怒っている人、集まれ! 佐々木忠次著

「NBS(日本舞台芸術振興会)ニュース」が届くとまず読んだのがコラム「起承転々」だった。切り抜いたことも数知れず。それほど読み捨てるには惜しい興味津々のエッセイだったが、156回分が収録されて本になった。著者は世界のオペラとバレエ界では知らぬ人とてない、日本の顔。東京バレエ団を世界一流の存在に育て上げ、数々の名門バレエ団や歌劇場の日本公演を成功させてきた。

多彩な公演や舞台芸術界の裏面史がつづられて、今読んでも興味深く貴重な記録だが、文化行政、劇場関係者、批評家、プロモーターへの辛口発言が本書の真骨頂である。これだけ妥協せずにものが言えるのも信念と使命感あればこそだ。

社会事象へも批判は広がっているが、舞台芸術に良い環境は欠かせないという著者の思いが痛切に伝わってくる。歯に衣着せぬ言い分は爽快の一語だし、面白さでも文句なしの快著である。文化を考える良い手掛かりにもなる。(純)

新書館 2520円

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