世界大不況からの脱出 ポール・クルーグマン著/三上義一訳

世界大不況からの脱出 ポール・クルーグマン著/三上義一訳

リーマンショックを契機に、世界はなぜ大不況に陥ってしまったのか、著名経済学者が明らかにする。著者は「恐慌の総和」こそが、その正体であり、過去に地球上のどこかで経験したことのすべてが「一挙に襲ってきたようなもの」で、それら恐慌型経済には有効需要の著しい欠如という共通性があったという。

それだけに過去の経験が詳述される。今回の「影の銀行」(ノンバンク)への取り付けは1930年代初めほか類似ケースがいくつもあり、不動産バブルの崩壊は日本で起きたこと、また国際資本移動の崩壊、通貨危機は80~90年代の中南米、90年代後半のアジアを彷彿とさせるという。

本書は99年に刊行された著作の改訂増補版だが、その後の事態を踏まえてほぼ4割は新たに執筆された。著者はノーベル賞受賞の国際経済学者ながら、経済評論家、ジャーナリストの顔も持ち、広い知識とわかりやすいたとえで、刺激的な論考を提供してくれる。

早川書房 1785円

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