【産業天気図・自動車】切れ目ないどしゃ降り。春光は見えない。日系メーカーの深い憂うつ
09年4月~9月 | 09年10月~10年3月 |
もう十分すぎるほど降った。それでも強い雨足はやまない。
トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>を始め、先秋から始まった各社の減産は長期化の様相を呈している。小糸製作所<7276>や市光工業<7244>などいくつかの大手部品会社は業界用語でいうところの「寄せ止め(ムダな生産ラインを止め1つにまとめる)」を進めた結果、一部工場の閉鎖に踏み切るところもでてきた。
急激な減産で一時のよう異常水準の在庫はピーク・アウトしつつある。ただ、肝心の販売が上向かなければ本格的な増産に転じることはできない。
米国の2月の新車販売台数は41%減と減少ペースがさらに加速する結果となった。今2009年の販売は1000万台の大台割れが現実味を帯びるようになってきている。日本国内も似たり寄ったりの状況だ。自動車販売連合会は2009年の新車販売見通しについて「300万台を割るおそれもある(08年は321万台)と厳しい見通しを明らかにしている。
これに伴いトヨタは今期の世界生産台数を約620万台(08年度見込み比2割減)、ホンダは国内90万台前後(1割超減)を関係先に内示したとみられる。
政府によるつなぎ融資で“延命”しただけで、米ビッグスリー(ゼネラル・モーターズ=GM、フォード、クライスラー)の経営問題も先行きがまったく見えない。すでに米国内ではディーラーに続き部品会社の破たんが始まっている。
一方で、スウェーデン政府はGM傘下の「SAAB」への金融支援を拒否し、破たんに追い込んだ。タイ政府もGMの現地法人への資金援助を却下した。ビッグスリー本体はもちろん、周辺の大手サプライヤーも含めた不気味な“突然死リスク”は日系メーカーをさらに憂うつにさせている。
(高橋 由里)
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