韓国でスマホ紛失が年28万件 悲鳴上げる保険業界

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スマホをなくしたり盗難に遭ったりすれば、ほとんど取り戻せないと思ったほうがいい。闇の流通は以下のとおりだ。

アングラ業者は、タクシー運転手や飲食店の従業員、一般市民から、機種によって3万~40万ウォン(約2100~約2万8000円)で買い取り、1次買い入れ業者に売却する。1次業者はさらに2次業者に売却。2次業者は大部分を海外に密輸するという。インターネット上には「スマホを買い取る」というサイトが無数にある。

保険に入っていてもムダかもしれない。スマホの紛失保険が発売された当初、保険料は邦貨換算で月70円~100円程度だったが、最近では2~4倍になっている。政府は来年から、携帯利用者が自分の不注意で紛失した場合には、保険金を受け取れないようにする予定だ。

政府金融委員会のイ・ユンス保険課長は「スマホを紛失したと届け出て、保険金を不正に受け取るケースが増えている。防止策の一環として、保険金を受け取る際に必要な利用者の負担金も引き上げる」と話す。

イ課長は「携帯電話の保険は今後、通信事業者による補償修理サービス的な方向に転換するだろう。保険会社は長期的に紛失保険から撤退する」と予測する。

紛失保険は、保険会社にとって損をする商品になっている。昨年、保険会社が受け取った保険料は国内の保険会社全体で約160億円だったが、支払われた保険金は約210億円に上った。

 

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