月給取りになったらアカン─私の履歴書 瀬戸雄三著

月給取りになったらアカン─私の履歴書 瀬戸雄三著

市場シェアは低下の一途、経営危機の瀬戸際に立ったアサヒビールを、営業の陣頭に立ち、社長・会長として経営の革新を成し遂げよみがえらせた「私の履歴書」である。どん底からの大逆転に成功した感激のドラマを中軸に、営業マンとして波瀾万丈の日々と、シェアトップに立って以降の新たな挑戦の記録。どれもビジネススクールの教材になりうる素材である。知恵と汗とハートという営業の原点、経営の要諦など啓発書としても役立とう。

本書の神髄は、書名(父親に諭された処世訓)どおりに、「夢」とともに猛進したサラリーマン生活(大失敗や左遷も再三だった)、苦闘する経営者の姿が率直に述べられている点にある。トップとしての厳しさと人情味は著者ならではとはいえ、自慢話がほとんどなく読後感はさわやかだ。最大の隠し味は冗談好き、前向きで明るい性格そのままに思わずニヤリとさせられる記述が随所にあることだろう。(純)

日本経済新聞出版社 1785円

  

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