22ものSNSを使いこなしO2Oを展開するローソン、成功の秘訣(前編)《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》

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「あきこちゃん」は、顧客の声を反映しながら作り上げた。10年4月の時点ではあきこちゃんの後ろ姿だけを公開。6月に、イラスト投稿型SNSサイト「PIXIV」で前から見たあきこちゃんのイラストを公募して「顔」が出来上がった。7月には、音声コミュニティサイト「こえ部」で、あきこちゃんの声優を募集。優勝者は、実際に全国のローソンで流す店内放送を担当した。

「コンセプトは、『みんなで作るソーシャルメディアアイドル』。後ろ姿から始めるという発案は自分から。デザイナー、編集、私の女性社員3人で相談しながら出てきたアイデアだった。企業のキャラクターを押し付けるのではなく、ネットユーザーさんから本当に愛されるキャラクターでないと、今後絶対によくないと思った。ネットを活用するなら、『みんなで作っている感』が大切だと思う」(白井氏)。

ほかにも、アニメなどのエンタメとタイアップすることで顧客の心をつかむ。もともと白井氏はエンタメキャンペーン出身。アニメの「エヴァンゲリオン」や「けいおん!」などのキャンペーンを担当していた。白井氏は、アニメとソーシャルメディアは親和性が高い、という。ソーシャルメディアユーザーに響くコンテンツを活用した施策のほうが、話題になりやすく成功しやすいと考える。今後もエンタメの施策は続けていく方針だ。

ローソンの展開する媒体は、22種類。次々に活用範囲を広げていく理由は、媒体ごとにユーザー層が違うため。媒体を増やすほど、情報やクーポンが届く対象が増える。

22媒体もの運用は口で言うは易し。実際、どのように行うのか。

現在、チームは白井氏をリーダーとした5名体制。企画系と運用系に分かれる。企画系のメンバーが3人で、白井氏がディレクターを務める。新しいソーシャルメディアの開始やキャンペーンなどの企画を作る。

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