薄利多売には終わらない、日用品卸大手・あらたの“攻め”の物流戦略

薄利多売には終わらない、日用品卸大手・あらたの“攻め”の物流戦略

日用品卸大手のあらたが、大規模な物流網改革を進めている。

背景にあるのは長引く不況による化粧品、洗剤など日用品の低価格化だ。メーカーと小売りの間を取り持つ卸事業はもともと利幅の厚くない商売。単価の下落が進むいま、これまで通りのやり方では粗利益率の悪化を食い止めるのが難しい状況にある。

そんな中、日用品の“メガ卸”各社はここ2、3年で全国の物流網へ積極的に投資、増強する。従来からの卸事業でさらなる効率化を図るだけでなく、小売りやメーカーからの物流受託に力を入れることで、収益構造を改善する狙いがある。

業界大手のあらたは、昨年8月に北海道の石狩センターを稼働させた。このセンターで初めて導入された機能の1つが、返品仕分けソーター(写真下)だ。通常仕入れ時に使用する仕分けソーターを返品作業にも応用したもの。これにより、1人当たりの1時間の仕分け可能量が約2倍に効率化した。すでに関西の物流拠点にも返品仕分けソーターが導入されており、今期は関東に拡大していく。日用品の流通効率化については製・配・販各社が一体となった取り組みが進行しているが、殺虫剤、花粉症関連商材などは売り上げがその年の天候に左右されやすく、返品を減らすのは極めて困難だ。「昨年の実績を見ても、背に腹は代えられない」(畑中伸介・あらた社長)。

また石狩センターでは、かねて提携を進めている医薬品卸大手のアルフレッサとの共同物流も開始した。医薬品はパッケージが比較的小さく、ほかの日用品と同便に入れ込みやすい。あらたとして手数料収入が得られるだけでなく、「日用品と医薬品が一度に来る」という点で小売り側にもメリットを訴求できる。今後ほかの物流センターへの導入も検討されるもようだ。

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