「農家への恩返し」農機で国内トップのクボタがコメ輸出を開始
クボタがコメの輸出に乗り出した背景には、日本国内のコメ需要が年々、減ってきていることがある。その一方で、中国をはじめとする新興諸国で食への安心・安全を求める動きが活発化、そこにヘルシーさも希求されるようになり、お寿司に代表されるような日本食の人気が高まってきている。日本米輸出の成算も高いと言えよう。
ただ、いまやクボタにとって日本は成長市場とはいえない。実際、クボタの海外売上高比率は5割に達し、成長のエンジンは新興国に移りつつある。企業の成長だけを渇望するのであれば、ほかに注力する分野もあるはずだ。
しかし「これまで成長してきた中で(国内の)農家の方々にはお世話になってきた」(クボタ役員)からこそ、クボタの国内農業を取り巻く環境悪化への懸念は大きい。日本米輸出はクボタのノーブレス・オブリージュ(位高ければ徳高きを要す)の現れかも知れない。
(筑紫 祐二 =東洋経済オンライン)
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