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アメリカ財務省「為替報告書」は円安への局面転換を正しく理解している・・・では何を日本に迫るのか?公的年金運用への言及が改めて思惑を呼ぶ

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「統計上の経常黒字」が円高に結びついていないのは、上述したような「戻らぬ第1次所得収支黒字問題」に加え、金融収支側で企業部門や家計部門が為替取引を伴う円投資を行っているためでもある。

この点、報告書では「日本の金融収支赤字は、2025年6月までの4四半期で対GDP比4.8%であり、日本の大規模で国際的に活動する機関投資家、銀行、保険会社、および海外市場での生産拠点を拡大し続ける企業コングロマリットの活動を反映している。報告期間中、日本からの純資本流出の大半は対外直接投資による」と記述され、旺盛な対外直接投資意欲を指摘している。

目下、日米関税合意に基づく総額5500億ドルの対米投融資について、具体的な案件内容を報じる向きも見られている中、「対外直接投資は円安の要因」と指弾するようなインセンティブはトランプ政権にもないだろう。歓迎することはあっても、非難する意味はないはずである。

しかし、経常収支の黒字と対になる金融収支の赤字に関しては、その取得超(フローとしては流出ゆえに赤字)のほとんど(25兆6023億円)が直接投資に集中していることはあまり周知されていないように思える。

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