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「消費減税」選挙ばかりではない! 金利上昇はまだまだ続くカラクリとは?ひそかに進む日銀もう1つの「利上げ」、財政にシビアな投資家たちが登場

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縮小

FRB(アメリカ連邦準制度理事会)やECB(欧州中央銀行)では、国債購入ペースを一定期間は維持し、金融市場の動向を見ながら購入ペースの加速や減速を決定している。

中央銀行のバランスシートは、過去に購入した国債が償還を迎えるペースより新規購入量が少なければ自然に縮小していく。その際、購入ペースが一定であったり、逆に購入を加速させたりしても量的縮小は続く。

例えば、FRBは22年6月に量的引き締めを開始した直後の9月に購入ペースを加速させたが、その後は24年3月に購入量を減らすまではペースを一定としていた。一方で、日銀が量的縮小を決定した時点で、四半期毎に国債購入量を減少させること、言い換えれば量的縮小を加速させることを示している。

この日銀による量的縮小によって、市場に出回る国債は段階的に多くなっており、長期金利の上昇圧力も高まっていると考えられる。

日銀は主な金融政策の手法を政策金利(無担保コール翌日物レート)の操作としており、国債購入量を減少させる量的縮小については金融政策と切り離して説明しているが、国債購入量を増やす量的緩和時には明確に物価を押し上げるための金融政策としていたことは矛盾がある。

量的引き締めが長期金利上昇を通じて金融引き締め方向の影響を与えていることを、政府や国民が理解することを避けているようにも見える。

財政リスクに見合った金利を求める投資家にシフト

日銀が量的引き締めを始めて1年以上が経過したが、日本国債の保有比率は依然として日銀が50%程度と圧倒的に大きい。日銀に加えて、日本国債の信用リスクを顧みない(資産のリスクウェート算定において信用リスクを考慮する必要性がない)国内金融機関の保有比率が高いことは、これまで日本国債の長期金利を抑制する要因となっていた。

ただしこの1年の変化を見ると、日銀や生保が保有比率を減らすなか、銀行に加えて海外勢の比率も高まり始めている。通常、海外の機関が日本国債の投資判断をする場合は、他の国債と同様に財政リスク(信用格付け)に見合ったリスクプレミアム(金利上乗せ)が求められる。

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