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春闘の焦点、【実質賃金】が低迷してきたのは「労働分配率の低下」が主因なのか?統計をそろえて分析すると浮かぶ「真犯人」、より深刻な"低迷"とは

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このような問題を回避する方法は、上記の式の変数を同一の統計とすることだ。ここで、すべての変数をGDP統計の項目に置き換えてみる。

具体的には以下とする。

実質賃金=実質雇用者報酬(名目雇用者報酬÷家計消費デフレーター)
労働生産性=実質GDP÷(雇用者数×労働時間)
労働分配率=名目雇用者報酬÷名目GDP
交易条件=GDPデフレーター÷家計消費デフレーター

これにより変数間の整合性が保たれ、実質賃金(時間当たり)の変動を労働生産性(時間当たり)、労働分配率、交易条件の変化によって正確に要因分解することが可能となる。

GDPベースの実質賃金(時間当たり)と労働生産性(時間当たり)の関係は図のようになる。

過去30年間の労働生産性の上昇率は25.3%、実質賃金の上昇率は13.2%である。実質賃金の上昇率が労働生産性の上昇率を下回っている点は複数統計ベースと変わらないが、労働生産性の上昇率はより低く、実質賃金の上昇率はより高い。この結果、両者の乖離は複数統計ベースより小さくなる。

なぜGDPベースのほうが乖離が小さいのか

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