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中国の高級白酒「マオタイ」、価格プレミアムの消滅が映す景気悪化の実態。投機需要だけでなく実需も縮小

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飛天茅台の価格下落を先導したのは、EC(電子商取引)サイトを通じた安売りだった。それを助長したのは(供給不足の時代に定着した)メーカーと販売代理店の長年の取引慣行だ。

中国の大手ECサイトで検索すると、メーカー希望価格よりも安く売られている飛天茅台を容易に見つけられる(画像:淘宝[タオバオ]のウェブサイトより)

「メーカーから(飛天茅台を)直接仕入れる場合、販売代理店は代金を先払いすることになっており、メーカー側は資金回収リスクを負わない。そのため、販売代理店は資金回収を早めようと、通常の販路でさばききれない在庫をECサイトに安値で流している」。財新記者の取材に応じたECサイトの関係者は、そう打ち明けた。

そんななか、メーカーの貴州茅台酒は市場価格の下落に歯止めをかけようと水面下で画策していた。25年11月、EC大手の抖音電商(訳注:ショート動画アプリ「TikTok」の中国国内向けネット通販部門)が加盟店に送信した文書がネット上に流出。そこには、飛天茅台を市場価格よりも安値で販売した加盟店にペナルティを科す旨が記されていた。

中国政府の“禁酒令”も影響

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