大場たちは噴火のデータを取り寄せ、「地中にたまったマグマで山が膨らみ、溶岩が流れ出るメカニズム」をCGで正確に表現した。TBSは夜9時のニュース番組でこの映像を使った。
「システムG」を気に入ったTBSは、ゴルフトーナメントのVISA太平洋クラブマスターズの中継でも使いたい、と言ってきた。グリーンの複雑なアンジュレーション(起伏)をCGで表現するのだ。今のようなリモート技術がなかったので、大場と岡は「システムG」をトラックに載せ、厚木の研究所から御殿場のゴルフ場まで運び込んだ。そのときの写真を岡が持っている。
色あせた写真では公園に放置された物置にしか見えない。ゴルフ場の裏に置かれた「システムG」に組み込まれたトランジスタの数は実に2万個。高さは人の背丈を優に超える2mだ。岡の記憶によれば「開発費は軽く1億円を超えていて、部品代だけでも2000万円はかかっていた」。
91年の秋、任天堂との協業が破談になり、独自のゲーム機を開発するための「PS事業準備室」が発足すると、久夛良木は社内から腕っこきのデジタル技術者を30人ほど集めた。大場と岡にも声がかかった。


















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