BMW「iX3」先行試乗!EVでも「BMWらしさ」は健在なのか?ワインディング&サーキットで確かめたその走り

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障害物をよけるときの姿勢安定性の高さは、1970年代からBMWが誇ってきた走行性能のひとつだ。

当時は1トンに満たなかった車体が、iX3では2.2トンへと倍増。慣性質量の違いは大きい。が、不安感はほぼゼロで、きれいに曲がっていくのだった。

正確なステアリングと反応のよい加減速でサーキット走行がたのしい(写真:BMW)

私がいたく感心したことが、もうひとつある。停止だ。

さきに、姿勢制御に回生ブレーキを使っていると書いたが、もうひとつの恩恵は、車両を停止させるときだ。

EVのiX3には、変速モードとして「D(ドライブ)」モードのとなりに「B(ブレーキ)」モードがそなわる。

回生ブレーキは、アクセルペダルを離すとタイヤの回転で起きる摩擦を使って電気を起こし、駆動用バッテリーへの充電を行う。

もうひとつの働きは、制動だ。摩擦の力で減速を行うため、ブレーキペダルを踏まなくても、アクセルペダルの操作だけで加減速が行える。

「ドライブ」と「ブレーキ」の切り替えはコンソールのボタンで行う(写真:BMW)

iX3のBモードも、基本的には従来と同じ働きをする。感心したのは、アクセル全閉で停止する際、いわゆる“カックンブレーキ”にならないこと。

いつ停止したのかわからないほど、スムーズに車両が止まる。卓越した運転技術をもったショファーもかくや、という動作。

BMWグループであるロールス・ロイスのEV「スペクター」にもぴったりの性能だ。「スペクターへの採用の話も進んでいる?」と技術者に尋ねたら、笑ってごまかされた。それほど見事な技術である。

ノイエ・クラッセへの期待値

ノイエ・クラッセは、EVの可能性を徹底的に追求した出来映えだ。iX3のあとも、セダンをはじめ、いくつものモデルが登場するようだ。

ここにクルマの未来があるのだろうか。少なくとも言えるのは、私はこのiX3が欲しくなったということだ。

<BMW iX3 50 xDrive>
全長×全幅×全高:4782mm×1895mm×1635mm
ホイールベース:2897mm
車重:2285kg
電気モーター:前後各1基 全輪駆動
システム最高出力:345kW
システム最大トルク:645Nm
一充電走行距離:679〜805km
乗車定員:5名
0-100km/h加速:4.9秒
【写真】コーナリングのスムーズさもわかる!「iX3」の写真を見る(70枚以上)
小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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