カーブでは、重力にしたがって、すーっとノーズの外側のほうがおだやかに沈んでゆく。技術の力でもって、新奇なドライブフィールを作り出すようなギミックはいっさい感じさせない。
アクセルペダルの踏み込み量も絶妙に調整されていて、モーターの大きなトルクもじわーっと感じられる。
よくできたエンジンを載せたクルマのような加速と感じられて、たいへん気持ちがよい。
今回「BMWパノラミックiDrive(アイドライブ)」なる新世代のインフォテインメントシステムが採用され、ウインドシールド下端に左右110cm幅のディスプレイが設けられた。
ここに速度や外気温、さらに望めばモーターの回転数(!)といった任意のウィジェットが置ける。ダッシュボードのモニター内で、スマートフォンと同様の操作で設定可能だ。
ドライバーにとってのメリットは、走行中の視線の移動量が少なく、かつ焦点を合わせやすいことだと、BMWの開発担当者は言う。
モーター回転数を表示させると、すぐ1万回転以上になる。おもしろいので、ついそこに目がいく。危険なので、慌てて視線を道路に戻す。その繰り返しでもってマラガの山道を走った。
サーキットで試すBMWの真骨頂
目的地は「アスカリサーキット(Circuito Ascari)」。1950年代にフェラーリのグランプリマシンを駆ってすぐれた成績を収めた、イタリアのアルベルト・アスカリにあやかった名称だ。
全長5kmを超えるプライベートサーキット。走り屋の富裕層向けビジネスとして、ゴルフリゾートのような集客が見込まれるのかもしれない。
このコース、ストレートはそんなに長くないが、軽いアップ・アンド・ダウンと組み合わされたコーナーの連続が特徴的だ。
BMWはこのコースで、私たちにスラロームによるステアリングの正確性とサスペンション性能と、瞬間的な加速のよさを堪能させてくれた。
さらに、時速120kmで、パイロンで作られた小さなカーブへと突っ込むテストも。入り口ぎりぎりでブレーキを強く踏み、そのまま、小さなカーブを抜けていく。


















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