というのも、ダム維持管理の現場では、あまり知られていない課題が山積しているからだ。
その代表例が土砂と流木だ。ダムに土砂が堆積すると、そもそも「水をためる」という機能が損なわれる。放っておくとダムが埋まってしまう。国の調査では、計画想定を大きく上回る堆砂が進んだケースも報告されており、実際ほぼ土砂で埋まってしまっているダムもある。
さらに流木(小枝のようなものではなく、数メートル~十数メートルあるような大木)はゲートや発電設備の機能を阻害するため、早めの撤去が必要となる。土砂や流木を処理するにしても、山間部に位置するダムでは、撤去、運搬、仮置き、最終処分という一連の作業にコストがかかり、多くの場合、ダム管理者(自治体など)が負担しているのが実情だ。
そこで、持続的にダム機能を維持するためにも、ハイブリッドダムによる売電収益の一部を堆砂・流木対策に充てる仕組みが重要となってくる。
公共機関が管理する治水ダムなどを発電可能にし、民間に開放してビジネスにしていくのがハイブリッドダム。一方で、公共側としては維持管理費の捻出が急務。つまり、ここをつなぎ合わせて、ハイブリッドダムへの参入にあたっては、売電収益の一部を維持管理費に充てることを条件にすることで、長期的なダム機能の維持が可能になる。
言い換えれば、治水機能維持・発電増効果の維持が可能となる。まさに治水と利水の一体的な推進が、インフラ老朽化対策などにもつながる施策である。
砂ビジネス、バイオマス燃料の可能性
もっとも、土砂や流木にもビジネスの芽はある。堆砂のうち品質の良い砂は、災害復旧工事や土地造成工事などを行ううえでの資源になる。世界的に見ても、土砂は都市開発における貴重な資源だ。ここに「砂ビジネス」のチャンスもある。土砂をかき出す費用ばかりがかかり、1円も生み出すものではなかったものが、事業になる可能性は十分にある。
日本で大規模な都市開発というのはなかなかないが、一方で大規模地震などの災害後の復旧・復興には土砂が必要となる。「その時」に備えて土砂の備蓄も必要だろう。流木も地域のキャンプ資材としての再利用やバイオマス発電の燃料として資源化の道がある。




















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