【生活の足、BEVとHEVどっち】スズキ「ビジョンe-スカイ」、BYD「ラッコ」、ダイハツ「K-ビジョン」、軽自動車の次世代パワートレインの行方

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
K-ビジョンの室内
K-ビジョンの室内(筆者撮影)

つまり、ダイハツとしては、軽乗用BEVはまだ遠い未来、近い未来としては軽乗用HEVのほうが向いていると考えているのだ。たしかに、BEVの場合は、バッテリー容量や航続距離、充電時間の短縮などの課題を、どう解消するかは大きい。

とくに、車体がコンパクトな軽乗用車は、大容量バッテリーを搭載できないため、どうしても航続距離に制限が出てくる。買い物や通院など、自宅から20~30km圏内の近いエリアの移動手段に使うというのが当面は良さそうだ。

また、充電ステーションなどのインフラ整備の問題もある。これらのさまざまな課題をクリアし、BEVを普及させるには、まだまだ時間が掛かりそうなのはたしかだろう。

軽自動車の最適解はBEVかHEVか?

一方で、近年、地方などではガソリンスタンドの数が減少しているという問題もある。経営者の高齢化と後継者不足などで事業が継続できなかったり、規制強化による設備投資負担の増大だったりなど、要因は複数あるといわれる。しかも、地方のほうがクルマで移動する機会は多い。そして、いかに燃費のいいHEVでも、近くにガソリンスタンドがなくなれば、動かすことすらできなくなる。場合によっては、生活が成り立たなくなる人も出てくる可能性もあるだろう。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

そして、そうした地域では、自宅で充電できるBEVの方が向いているといった見方もある。たしかに、とくに軽自動車は、乗用であれ商用であれ、現在のガソリン車でも近距離移動に使う人が多いという。どうせ近距離しか移動しないのであれば、BEVでも最悪は自宅に充電器を設置すれば、最低限走ることができるというのもたしかだろう。

いずれにしろ、軽乗用車は、若い世代からシニアまで、広く庶民の生活に根ざした乗り物であることは間違いない。果たして、将来的に、どのようなタイプが新たな主流となるのか興味深い。

この記事の画像を見る(86枚)
平塚 直樹 ライター&エディター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事