一方で、全国各地のミュージアムでは今、経営が厳しくなっている施設も少なくない。社内コンクールの応募があった2023年には、国立科学博物館がコロナ禍での資金難を理由にクラウドファンディングを始め、社会的にも大きな注目を集めていた。
三橋さんは、こうした経営難のミュージアムを支えようと、クレジットカードに寄付機能を付けることを考えた。

社内コンクールには131人が応募し、その中から三橋さんも含めた27人が本選に進んだ。2024年3月に開かれた本選は、丸井グループの青井浩社長をはじめ、経営陣やおおぜいの社員の前で自分のビジネスプランをプレゼンするというものだった。
本選に残ったアイデアはどれも秀逸なものばかりだった。サッカーやサウナなど、自分の好きなものについて魅力を熱く語り、中にはすでに協業先との交渉を進めているという人もいた。
優秀賞には選ばれなかったが…
滔々とプレゼンを進める参加者たちを前に、三橋さんは次第に自信を失いそうになっていた。自分の番が回ってきた時、最初に思わず「ミュージアムは床から天井まで面白いんです!」と叫んでしまった。何か印象を残さないと自分の案を覚えてもらえない、少しでも自分の思いを多くの人に伝えたい。そんな必死の思いで、とにかく大声をあげたという。
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