アイデアの歴史から紐解く「ミニマム財布」最前線 革財布を変えた名品5選が問う財布の存在意義

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ミニマム財布5選
ミニマム財布には、日本が作り出してきた新しい革財布のアイデアの歴史が詰まっている(筆者撮影)

東京蔵前の革製品ブランド「エムピウ」が、財布という存在をゼロから再構築した『millefoglie(ミッレフォッリエ)』を発売したのが2001年。まだ、キャッシュレスの時代が来るとは想像もされていなかったころです。しかし現在、キャッシュレスを前提に作られているいわゆる「ミニマム財布」のほとんど全ては、この『millefoglie』に何らかの影響を受けて作られています。

2004年には、デザイナー齋藤義幸氏が手がける「cyproduct」が、財布の機能を極端に絞った『コインパース』を発売。2009年には、「SUPER CLASSIC(スーパークラシック)」が『薄い財布(abrAsus)』を発売。ほぼ同じころ、必要最小限の仕様で素材の力を活かすことをコンセプトにした「rethink」が『Lim Wallet』を発売します。

小さく薄いけれどコインもカードも紙幣も収納できる、そんな新しい財布の形が、世の中に少しずつ認識されるようになってきました。

「小さくて薄い財布」が誕生するまで

そのきっかけを作ったのが、エムピウが『millefoglie』で始めた、紙幣を直接コインやカードが入るパーツの下に差し込むスタイルです。今ではほとんどのミニマム財布が採用しているスタイルですが、このアイデアを最初に製品化したのが『millefoglie』でした。

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実際、同業者から「それはやっちゃいけない」「そんな財布は売れない」と言われて、製品化に踏み切るのは相当な勇気が必要だったと、エムピウの代表・村上雄一郎氏は語っています。

さらに、スーパークラシックの『薄い財布』がコインケース部とカードケース部の重なりをなくすことで薄型化を実現。またrethinkの『Lim Wallet』は、薄く削いだヌメ革を貼り合せた薄くてしなやかな革一枚を折ることで、最小限の縫製の財布を完成させます。

革財布のアイデアの歴史から選ぶ、ミニマム財布の名品5アイテムの写真を一覧で見る(写真15枚)
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