不登校の要因特定は困難、子どもは何を考えている?「思春期の不登校」回復までの5段階、親がやるべきことと絶対にやってはいけないこと

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叱責している保護者も、「子どものために」と思って行動していることがほとんどです。しかし、その思いが子どもに伝わらず、逆に親子の信頼関係が損なわれてしまうことがあります。

私は、そうした保護者に対して、子どもの「受容」の大切さを丁寧に伝え、少しずつ理解を深めてもらえるよう努めてきました。親が子どもの「凸凹」を認め、その中で子どもの良さを引き出す関わり方に変わっていくことで、子どもが安心して自分の力を発揮できるようになる場面を何度も見てきました。

不登校支援においては、まず「ありのままの子どもを受け入れる」ことが出発点です。親子の信頼関係が築かれることで、子どもは学校とのつながりを取り戻し、自分らしく歩み始めることができるのです。

「親が先回りしてすべてを決めてしまう」のはやめて

不登校の子どもが次のステップ(転校や進学)に進むとき、最も重要なのは、子ども自身に決めてもらうことです。

先ほどのAさんのように、親が先回りしてすべてを決めてしまうのではなく、子どもに選択肢を与え、最終決定を委ねることが大切です。自分で選んだ道は、困難にぶつかった時でも、自分の力で乗り越えようとする強い気持ちにつながります。

もし転校や進学を検討する際には、お子さんと一緒に実際に学校に足を運んで、雰囲気を感じてみてください。また、不登校の生徒へのサポート体制が整っているか、教員が寄り添う気持ちを持っているかなどを、遠慮せずに尋ねてみましょう。

不登校は、決して悪いことではありません。それは、子どもたちが「自分らしく生きる道」を探すための大切な時間なのかもしれません。私たちは、子どもたちの苦しみに寄り添い、ありのままの姿を受け入れることで、その探求をサポートすることができます。

親として、焦らず、信じて見守る姿勢が、きっと子どもの未来を開く力になります。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
野々 はなこ 高校教員、不登校専門家

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のの はなこ

不登校専門家。ウェルビーイング教育コーチ。大阪府生まれ。大学を卒業後、高校教師を務めて30年以上。担任、保健室担当、特別支援 教育コーディネーターとして不登校、発達障害やメンタル不全の生徒たち と長年関わってきた経験を持つ。
プライベートでは子ども2人が不登校になったが、心理学や脳科学、栄養学などを学び、それらを子どもの教育に取り入れたことで2人とも大学進学するまで回復させることに成功。
不登校の子を持つ母親としての経験と、教育のプロとしての経験をノウハウ化した「不登校回復講座」は口コミで話題となり、全国各地から受講者が訪れる。不登校で悩む保護者を応援するために改善の秘訣を発信しているブロガーであるほか、ウェルビーイング教育の普及活動も行っている。

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