不登校の要因特定は困難、子どもは何を考えている?「思春期の不登校」回復までの5段階、親がやるべきことと絶対にやってはいけないこと

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社会的な影響は、スマートフォンなどのデジタルデバイスが身近になったことです。幼少期からの過剰な刺激が、コミュニケーション能力や発達に影響を及ぼしている可能性も指摘されています。

近年ではコロナ禍でのマスク生活は子どもたちのコミュニケーション能力や人間関係形成に影響を与えました。このため小学生の不登校が大きく増加したと考えられます。

内的要因には、子ども自身の特性や性格なども挙げられます。

発達障害やHSP、性の多様性、ルーツ(外国籍など)などです。また、自己肯定感の低さや、肉体的な弱さもあります。思春期の子どもたちは、これに加えてアイデンティティの葛藤を抱えます。

これまでの価値観や自己像が揺らぎ、親や周囲との関係を再構築しようとします。思春期の不登校は、これらの点で小学生とは違った対応が必要になります。

加えて「栄養状態」は見過ごされがちな重要な内的要因の1つです。

保健室で不登校の生徒と面談を重ねる中で、貧血や下痢といった体調不良に加え、栄養の偏りや偏食が気になるケースが多く見受けられました。保健室では、入室時に前日の食事内容(朝・昼・夕の3食)を記録してもらっていますが、ほとんど食事を摂っていない、あるいは炭水化物中心の食事に偏っている生徒が少なくありません。

具体的には、パンやおにぎりのみであったり、インスタントラーメン、甘い菓子パン、スナック菓子などが主食となっているケースが多く、たんぱく質やビタミンなどの栄養素が不足している傾向があります。

こうした食生活は、体調不良だけでなく、気力や集中力の低下、情緒の不安定さにもつながり、不登校の一因となる可能性があります。子どもたちの心身の健康を支えるためには、日々の食事内容を見直し、栄養バランスの取れた食生活を整えることが大切です。

息子と娘、2人の子どもの不登校を経験

私自身、2人の子どもが思春期に不登校を経験しました。息子は中学2年生、娘は高校1年生の時に、それぞれ別の形で学校に行かなくなりました。

息子が不登校になったとき、学校に戻さなければならないという焦りがありました。無理やり学校に行かせようとする私に対し、息子は暴れ、暴言を吐き、ついには部屋に閉じこもりました。

「どうすれば学校に戻せるか」ばかりを考えていた私は、息子を追い詰めていたことに気づかず、お互いに傷つけ合っていました。そんなある日、テレビで子どもの自殺に関するニュースを見たとき、まるで雷に打たれたような衝撃が走りました。

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