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トヨタグループが東京臨海副都心の青海につくった「全方位アリーナ」の圧倒的な強み、やや残念なところ、そして今後への期待

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スイートルームはスポーツの試合ごとの販売となっており、12人部屋で80万円(税別)、15人部屋で100万円(同)という価格設定。つまり1試合を見るのに1人税込み7万円以上を支払う計算となる。

他にも1階に最上級ラウンジ(TOYOTA PREMIUM LOUNGE)が、3階に通常タイプのスイートルーム16室とラウンジがあり、それぞれに価格や販売方法が設定されている。民設民営だからこそ実現できる自由度と、強気の価格設定だと言えるだろう。ただし、目立ちすぎるVIPルームは日本の音楽興行では敬遠されるリスクもある。これらを音楽コンサート時にどう活用するかは、興行主との協議で決めていくという。

自由観戦エリアを設置

一方、一般客にも特別なエリアが用意されている。

観客席最上階の5階にある自由観戦エリア(SMBC SKY LOUNGE)は、場内の観客なら誰でも立ち入れる。アリーナ側を向けば2メートルのリボンビジョンと同じ視線レベルで会場全体を見下ろせ、外を向けばお台場のビル群やゆりかもめなどの景色を一望できる。座席はないが、逆に立ちながらのカジュアルなスタイルで観戦を楽しめるという趣向だ。

5階に設けられた自由観戦エリア「SMBC SKY LOUNGE」(8月28日、筆者撮影)

3階にはファミリールームがあり、小さな子どもが遊んだり寝そべったりできるスペースとなっている。試合の途中で子どもたちが飽きてしまうことが多い子連れの観客への配慮なのだという。その横には、知覚過敏の人向けのカームダウン/クールダウン室も用意されている。

車椅子席は最大78席分のスペースを確保し、「入場可能数の0.5%以上(1万席に対して50席)」というBプレミア(来年から開幕するプロバスケの最上位リーグ)の基準を満たす。ユニバーサルトイレは3階席の2カ所に計10室分あり、車椅子用や乳幼児用、ジェンダーフリー用などの各種トイレが設置されている。

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