「特異な才能のある子」に「特別の教育課程」、"ギフテッド教育"戸惑う教員に必要な視点 教員の支援で学校に足が向くようになった子も
子どもの発言したキーワードを拾い上げ、それを取り込みながら授業や学級活動を柔軟に進めることができればよいと思います。
例えば、行事の当日に晴れるようにてるてる坊主を作っていた学級で、みんなが「てるてる坊主のおかげで晴れてよかったね」と話しているときに、「晴れたのは高気圧が来たからだよ」と言う子どもがいた場合、「難しい言葉を知っているね」といった反応だけにとどめず、「では、曇りのときはどうなのかな?」と問いを投げかけてみることもできます。そこから、「次の行事のときはみんなで天気予報をしてみよう」と話を広げていけば、学級全体で天気のことについて学ぶ機会が得られます。
才能のある子が自らの興味や関心に基づく貢献や協働を通じて、学級全体での学び合いを広げたり深めたりしていけるように意識できるとよいでしょう。
――教員が特異な才能のある児童生徒の支援の方法を学ぶには、どのような方法がありますか。
文部科学省の令和5年度・6年度の「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援の推進事業」の研修パッケージでは、具体的な支援の例などを1本あたり約20分の動画で解説しています。
また、今年4月に開設された愛媛大学教育学部附属の才能教育センターでは、才能教育の最新動向などを紹介するオンラインセミナーやイベントを継続して実施していきます。今後は、教員向けの研修の実施も予定しているほか、保護者や先生方からの相談窓口を設け、適切な情報提供を行っていきます。
多様な子どもたちが各自の才能を輝かせることができる社会を実現できるよう、信頼できる情報を発信していきますので、ぜひアクセスしていただけたらと思います。
(文:安永美穂、注記のない写真:topic kong/PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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