今回のリコール投票は市民団体などによる自発的な運動の結果だが、民進党の主要幹部らは政権運営を円滑化したいという思惑から、リコールを求める市民団体を積極的に支援してきた。民進党の林右昌・秘書長(幹事長相当)は、「(リコールの)1票は台湾の未来に大きな影響力をもつ」とリコール支持を訴える。
対して国民党側は当初、「リコールにはリコールを」と、民進党の立法委員に対するリコール署名活動で応戦した。ただ、支持者への動員がうまくいかず、署名集めに苦戦。死者の名前が大量に署名で使われるなど不正の疑いも相次いで発覚し、国民党職員が文書偽造などの疑いで起訴されるなど、不発に終わった。
ただ、民進党支持者の熱気が中間層にまで必ずしも広がったわけでもない。わずか1年余りで選挙結果を覆すことへの疑問や、長期政権となっている民進党への警戒感や飽きがあるためだ。
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