【独占】日産・取締役会議長インタビュー/ホンダとの統合協議が決裂し「内田体制では持たないと判断」/社外取の責任と経営監督の課題
――いつ頃、CEOを交代する議論が出てきたのでしょうか?
さらに業績が悪化した昨年末の11~12月に指名委員会ではCEO交代を当然、俎上に載せた。こういう状況では、経営トップを代え新しい人でやっていくべきではないかという議論も出て、交代の方向になりそうだった。ただ、12月にホンダとの経営統合の話があり、誰が交渉を進めるのかとなった。
当時は内田さんとホンダの三部敏宏社長のトップ2人の人間関係から提案がきた。そこが崩れると統合はなくなってしまう。12月にMOU(基本合意書)を結び、「これに賭けよう」と言うと言い方は悪いが、内田さんに任せて統合を達成してもらおうと12月に踏み切り、内田さんのCEO継続に舵を切った。
ところが最終的に今年1月末に「完全子会社化」という話(ホンダが日産に対して完全子会社化を求めた)になった。さまざまな議論があったが、最終的には日産ブランドの継続に対して危機感を持つ人がたくさん出て、破談になった。
今後どうなるかはわからないが、この段階では、日産はスタンドアローン(自主独立)で生きていこうという道を選択した。そういう状況の中で、「内田体制では持たない」と判断した。
後押しと監督・チェックの兼ね合いが課題
――ホンダとの統合協議の終了に関しては、最終的には日産の取締役会に諮られました。ゴーン事件の反省もあって、日産の社外取は大きな力を持っていますが、監督権限を超えて執行に関与していませんか。
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