東京都が女子中高生とSTEM分野で働く女性をつなぐ「Girls Meet STEM in TOKYO」始動の訳 山田進太郎D&I財団と連携しオフィスツアー

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東京都は6月11日、今夏から開始する「Girls Meet STEM in TOKYO〜女子中高生向けオフィスツアー〜」について記者発表を行った。当日は、小池百合子都知事と品川女子学院の生徒との対話なども行われたが、今後は山田進太郎D&I財団と連携して、女子中高生がSTEM分野で働く女性と交流する機会を設けて進路選択の後押しとなることを目指すという。

「Girls Meet STEM in TOKYO〜女子中高生向けオフィスツアー〜」

東京都は、STEM分野における女性活躍を推進するため、今年度から公益財団法人山田進太郎D&I財団(以下、山田進太郎D&I財団)と連携して「Girls Meet STEM in TOKYO〜女子中高生向けオフィスツアー〜」を実施する。

記者発表会では、今夏から開始する「Girls Meet STEM in TOKYO〜女子中高生向けオフィスツアー〜」のデモツアーとして、品川女子学院の生徒を招き、DX推進を担う東京都の外郭団体GovTech東京のオフィスツアー、女性職員との交流を実施した

STEMとは、「科学:Science」「技術:Technology」「工学:Engineering」「数学:Mathematics」の頭文字を取ったもの。東京都は、この取り組みを通じて、女子中高生がSTEM分野で働く女性の職場を訪れて先輩たちの話を聞いたり仕事を体験したりする機会を設け、自分がやりたいことや関心のあることを見つけて幅広い進路選択ができるようにしたいという。

企業も採用に意欲、教育現場に「女性理工系人材の育成」期待

なぜ、STEM分野なのか。日本では、企業の採用意欲が高いにもかかわらず、女性理工系人材が不足しているという現状がある。

経団連が行った調査によれば、2022年度における大卒・大学院卒の採用人数全体に占める理工系女性の採用割合は、新卒採用で89%、経験者採用で96%の企業が3割未満だった。さらに今後5年程度先を見通した理工系女性の採用方針について「拡大する方向」と64%の企業が答えている。

そのため、理工系女性のロールモデルやキャリアパスに関する発信を行っている企業も多いが、同時に教育現場に対しても「理工系分野の魅力がわかる授業の実施」や「理工系に進学・活躍しているOGのロールモデル・キャリアパスの提示」を期待している(一般社団法人 日本経済団体連合会「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に 関するアンケート結果」2024年2月20日)。

というのも、そもそもSTEM分野に進む女性が少ないという事情がある。日本において、大学のSTEM分野を卒業した女性は全体の17.5%と、OECD38カ国平均の32.56%より低く、しかも最下位(OECD「Education at a Glance 2023」)。STEM分野に進む女性を抜本的に増やすには、文理選択が行われる高校段階、あるいはそれよりも前に興味関心を持ってもらう必要があるというわけだ。

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