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源流の豊田織機をTOBで非上場化、豊田章男会長も個人で出資、トヨタグループの再編が始動

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トヨタグループの源流企業である豊田織機は、トヨタ株(9.14%、時価約3.25兆円)を中心に合計約4兆円のグループ株式を持つ。巨額のグループ株の存在が資本効率を悪化させることもあって豊田織機の株価は低迷。TOBが報じられる前はPBR(株価純資産倍率)が約0.8倍と解散価値の1を割り込んでいた。

近年はアクティビストから高所作業車大手アイチコーポレーションとの親子上場解消を要求されたり、株主還元の充実を求める株主提案を受けていた。「短期的な業績期待への対応から、より長期的な目線で経営を進められることが非公開化のメリットになる」(豊田織機の伊藤社長)と判断したという。

具体的な動きとの端緒として、昨年12月にトヨタが豊田織機にTOBによる非公開化を提案。その後、「トヨタグループ各社との事業連携・協調の深化を企図するという観点から」グループ15社が株主に名を連ねるトヨタ不と「コミットメントの観点」から豊田氏が議決権を有する今回のスキームに落ち着いた。トヨタの山本正裕経理本部長は「自動車メーカーがトヨタグループの親になることがすべての形ではないことが議論を経て導いた結論だ」と話す。

6月10日に愛知県高浜市豊田町で開かれた豊田織機の定時株主総会。計画が予定通りならば、上場会社としては最後の定時株主総会になる(記者撮影)

TOB価格に不満の声

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