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現金にも「マイナス金利」が付く時、貨幣は死ぬ。そして人類史上最悪の恐慌が訪れる…「物価の権威」渡辺努氏の最終講義に徹底反論・番外編

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  • 小幡 績 慶応義塾大学大学院教授
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現金をマイナス金利にすることを提唱した人はたくさんいる。マイナス金利というより、貨幣保有にコストをかけるようにすべきだ、そのようにして、流動性選好が強まりすぎた状態を打破すべきだ、という考えである。

日本では、デフレが騒がれた最盛期に、深尾光洋氏(慶応義塾大学名誉教授)などが主張していた。

歴史的には、何より、ケインズがその提唱者である。ケインズは「一般理論」において、ゲゼルという在野の論客の議論を引用しているが、渡辺先生が提唱することもまったく同じだ。

深尾説もゲゼル氏も、紙幣に印紙のようなものを追加で貼ることを義務付ける、紙幣に有効期限を設け定期的に印紙を貼らないと無効になる、というものだ。

となると硬貨や小額紙幣も対象にしなければ実効性が担保されない、という議論になるが、渡辺先生は、デジタルキャッシュの今こそ、コストなしに現金にもマイナスの金利を付けることが可能になったのだから、実行すればよい、と主張する。

なぜ人々は現金を持とうとするのか

私は、物理的に、現金にマイナス金利をつけることが簡単になった、可能になったからこそ、反対だ。猛反対、絶対反対だ。簡単にできるからこそ、現金へのマイナス金利は、貨幣を殺すと考える。

なぜか。

そうすると、現金以外のものが貨幣となるからである。単純な話である。

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