「全日制高校通わず東大へ」、通信制&高認から逆転合格した5名のリアルな"どん底体験記" 不登校、病気、夢…それぞれの境遇から得た青春

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Bさん:通信制高校には一応テストもあるのですが、かなり簡単で、ほとんど無いようなものでした。そのため、テストの結果に振り回されずに済んだ点は大きいと思います。テストの点数が低いと、どうしても落ち込むじゃないですか。でも、この時間は無駄に精神を疲れさせるだけで、いいことは何もありません。そこから解放されるというのは大きなメリットだと思います。

全日制高校に通わなかったことで得られた“心の余白”が、彼らの人生においてかけがえのない価値であったのかもしれない。テストの点数や周りの環境に振り回されないからこそ、自分の選びたい道に進むことができる。また、心と時間に余裕があるからこそ、色々な人たちと通じ合える環境を大切にすることができたのだろう。いずれも、自由から得られる視野の広がりや、学校の枠を超えた経験が、今の自分を形作る大事な要素になっていたようだ。

今、全日制高校で思い悩んでいる人に伝えたいこと

今回話を聞いた4人の東大生は、中学生の段階から、全日制高校には行かない道を決心していた。では、一度は全日制高校を選んだものの、諸々の事情で通い続けるかどうか悩んでる人に向けては、どのように声をかけるだろうか。

Cさん:難しい話ですし、人それぞれだとは思いますが、僕はとりあえず「学校に行ってみたら」と声をかけます。僕の立場で言うのも変ですが、通信制高校は「いつでも誰でもウェルカム」という感じで、ハードルが低いんです。でも、全日制学校は必ずしもそうではないと思います。なので、悩んでいるなら一度学校に行って、じっくり考えてみるのがいいと思っています。でも、「もう無理だ」と思い詰めている人には、通信制高校も良いと思います。通信制高校は、どんな人でも受け入れてくれるので、行こうと思ったときにいつでも通えますから。

Bさん:私は学校が合わずに高卒認定の道を選びましたが、私と同じ状況の人には、「“一度入学した高校は最後まで通い続けなければいけない”という固定観念を捨ててみよう」と言ってあげたいです。どちらの選択肢もあるからこそ、悩みながら決めてほしいです。

今回の座談会を通じて浮かび上がってきたのは、“全日制高校に通わない”という青春の在り方だ。学園祭や部活動はなかったかもしれないが、彼らは「多様な人と関わり、自分の意思で道を切り拓く」という点で、誰よりも濃い青春を過ごしたとも言える。多様な生き方が可視化された現代、“当たり前”を外れた意思決定ができることも、東大逆転合格のメソッドの1つなのかもしれない。

(注記のない写真:cba / PIXTA)

執筆:Overfocus代表 神田直樹
東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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