「全日制高校通わず東大へ」、通信制&高認から逆転合格した5名のリアルな"どん底体験記" 不登校、病気、夢…それぞれの境遇から得た青春
2018年度、(全日制)高校にも塾にも通わず、トップクラスの成績で東京大学文科Ⅰ類に合格。
2023年度東京大学理科Ⅱ類合格。闘病生活により、中学1年生の頃から不登校となり、通信制高校に進学。年間登校12日程度のコースに在籍。
2022年度東京大学理科Ⅰ類合格。中学受験を経て入学した中高一貫校の厳しい校風に合わず、不登校となり、高校は進学せず。高校1年生で高卒認定資格を取得。
2023年度東京大学文科Ⅲ類合格。中学生のころから起立性障害により不登校となり、高校進学のための出席日数要件を満たせず、通信制高校に進学。
2021年度東京大学文科Ⅱ類合格。中学生時代より舞台俳優として芸能活動をしていたため学校に通えず、通信制高校に進学。
中学受験の失敗、病気、夢…「全日制高校に通わなかった」理由は?
私自身は東大を目指すにあたり、高校に通わないことが自分にとっての「最短ルート」だと感じたため、通信制高校を選んだ。では、他の通信・高認出身東大生は、なぜ“高校に通わない”という選択をしたのだろうか。
Aさん:きっかけは中学受験でした。小学生の頃は「志望校に合格するぞ!」と思って必死に勉強してたんですが、第一志望はおろか第二志望にすら引っかからず……このショックが大きくて、志望度の低い学校では勉強を頑張る気になれませんでした。それに加え、当時服用していた薬のせいで眠気が強くなりやすかったこともあり、中学1年生の12月頃からは不登校状態でした。そこで、高校は通信制に在籍することにして、1年で12回ほど登校すれば卒業できるコースを選びました。
Bさん:私も中学受験をしたのですが、進学先の学校の校風がなかなか自分に合わなかったことが大きいですね。俗に言う“管理型”の学校で、厳しい校風や大量の提出物など、まるで監獄みたいな生活に嫌気がさして、中学1年生から徐々に不登校になりました。そこから独学で勉強を進め、高校1年生の終わりごろに高卒認定試験に合格しました。
Cさん:僕は中学受験はせずに公立中学校に進学したんですけど、起立性障害を発症してしまい、1年程全く学校に通えない期間がありました。徐々に回復していき、中3の頃には学校にも通えるようになったのですが、結局登校日数が足りず……高校からは通信制高校に通うことにしました。
Dさん:皆さんとはかなり毛色が違うのですが、私は中学生の頃から舞台俳優をやらせてもらっていて。ミュージカルに出演したりする関係で、学校にはほとんど通えない状況だったんです。それに、もっと芸能活動に取り組んでいきたいという気持ちもあったので、高校からは通学の必要がない通信制高校に行こうと決めました。
どん底の成績を経験してから、“東大逆転合格”へ
全日制高校には行かないという選択肢を取ることで、勉強を強制される機会は少なくなる。それは、高校に行かないことの強いメリットである一方で、モチベ-ション維持などの困難に直面しうる課題でもある。
私も、東大に行くために通信制高校を選んだはずが、高校1年生の頃は1日12時間もゲームをしてしまうなど、勉強はまったく手につかなかった。その結果、偏差値が45まで落ち込んだ時期も。他のメンバーはどうだったのだろうか。
Aさん:僕も、中学時代は本当に勉強してませんでしたね。「受験に失敗した」という挫折感でいっぱいでしたし、そもそも学校にも通えていなかったので、中学3年生の夏の時点では英語のbe動詞の“is”と“are”の違いすら分かりませんでした。
Bさん:私は否が応でも勉強しなければならない環境にいたので、中1の頃は同世代と比較してもそれなりの勉強量だったと思います。でも、その環境に嫌気がさしてからはモチベーションが下がり、順位もどんどん下がっていきました。高卒認定に合格したとはいえ、あれは高校卒業に足る最低限の学力があれば取れるものなので、同学年全体での成績は全然下の方だったと思います。